地域の祭と、しめ縄づくり

邑南町 阿須那地域で毎年行われる 次の日祭(じのひまつり)
その数日前、祭の舞台となる賀茂神社でしめ縄づくりが行われていました。
外が薄暗くなる中、神社にはあたたかな灯りがともり、
普段は閉じられている拝殿の扉が開かれ、
中にはしめ縄に使う藁が用意されていました。
拝殿の前には地域の方々が集まり、藁を手に取りながら作業を進めています。
稲藁から作るしめ縄
この日作られていたのは、次の日祭に合わせて賀茂神社へ掛け替えるしめ縄です。
使われているのは、地域の方が作った「はでぼし」の藁。
最近はコンバインで細かく裁断され、そのまま田んぼへすき込まれることも多い稲藁ですが、
次の日祭のしめ縄づくりのために、昔ながらの方法で干した藁を用意しているのだと教えてもらいました。
まず作るのは、「でっち」と呼ばれる藁の束です。
しめ縄へ差し込みやすいよう、先を細く整えながら、一つひとつ束ねて結んでいきます。

でっちができあがると、今度は大きなしめ縄を作る作業へ。

三本の太い藁の束を持ち、掛け声に合わせてより合わせていきます。
そこに、先ほど作ったでっちを差し込みながら、しめ縄は少しずつ形になっていきます。
最後は、飛び出した藁をハサミで切りそろえ仕上げます。

完成したしめ縄は、祭の日までに新しいものへ掛け替えられます。
次の日祭の由来
作業をする中で、次の日祭の名前には、いくつかの言い伝えがあることを教えてもらいました。
ひとつは、京都の葵祭の「次の日」に行われたことが由来だというもの。
また、旧暦四月の酉の日を祭日とし、酉の日が複数ある年には「次の酉の日」に行ったことから名がついたという話も残っているそうです。
今は毎年5月21日に行われ、地域の方々が準備を重ねながら、その日を迎えます。
そして迎えた祭当日。
神社では神事が行われ、その中で地域の子どもたちによる巫女舞(みこまい)が奉納されました。
当日は雨が降っていたのですが、雨音が響く中で行われる神事は、晴れの日とはまた違った趣がありました。
神社で神事が行われた後は、色とりどりの短冊で飾られた傘鉾が通りを練り歩きます。
この傘鉾も、次の日祭を代表する風景のひとつです。
今年は雨のため巡行が翌日に延期となったため、写真は昨年の様子です。

そして夜には、賀茂神社で地元の神楽団による神楽が奉納されます。

神社に神楽の音が響き、昼間とはまた違った雰囲気でした。
境内には多くの人が集まり、次の日祭りの一日は夜まで賑わいに包まれていました。
祭の日に見える風景の向こうには、それぞれの場所で祭を迎える準備があったのだと思います。
今回見せていただいたのは、その中のひとつのしめ縄づくりの時間でした。
その時間を知った後で迎えた次の日祭は、より印象深いものになりました。





