梅を干す

梅雨明けと土用干し
今年は例年よりもずっと早く梅雨が明け。西日本では2~3週間も早く真夏がやってきました。
昔から、梅干しといえば「土用干し」と言われていますが、「土用」とは、1年のうちで太陽の日差しが最も強く、天候が安定している時期のことを言うそうです。
その時期に「三日三晩干す」ことは、美味しい梅干しをつくるうえで大切なポイントなのだそうです。
昼間の強い太陽光の光で余分な水分を飛ばして殺菌し、夜は夜露にあてて皮をしっとりと整える。こうすることで味がまろやかになり、ふっくらとした梅干しに仕上がるそうです。

天日干し1日目
梅と塩、太陽と夜露でつくる一粒
朝方ざるを覗くと、梅は夜露をまとってキラキラと輝いていました。

夜露をまとった梅
その時に優しくひっくり返すと、梅の皮が破けることが少ないそうです。
最初は肌色のようなだった梅が、毎日お日様に干されるうちに香りと色を纏い、赤い梅干しへと変わっていきます。
雨にあたってしまうと、カビや痛みの原因になるため、外出先でも空を見上げて心配になるほど。自然と暮らしが一体になった時間でした。
三日三晩しっかり干してようやく完成した梅干し。
太陽の光を浴びて、赤く輝く一粒に仕上がりました。手間はかかりましたがとても幸せな時間でした。

天日干し3日目
地域で教わった赤漬け
干しあがった梅はこれで完成ですが、地域の方から「赤漬け」と呼ばれるやり方を教えていただきました。
塩でもんだ赤紫蘇を、干した梅と交互に重ねて瓶に詰め、最後に梅酢を加えると、鮮やかな紅色に。このまま数か月寝かせると、色がさらに深まり味もまろやかになっていくのだそう。赤紫蘇の香りが梅に移ることで見た目だけでなく、風味も豊かになっているのだと教えてもらいました。
一方で、赤紫蘇を加えない白梅干しは、梅そのものの香りや酸味が楽しめる仕上がりに。出来上がった梅の瓶を見ていると、作業の大変さも忘れるくらい嬉しい気持ちになりました。
この土地だからできること
邑南町に来る前は、梅干しはお店で買うのが当たり前で、手作りどこか特別なことでした。
でもここでは、梅や、干す場所もあり、邑南町の澄んだ空気や夜露までもが梅仕事を支えてくれているように感じます。
梅の季節になると、直売所には邑南町産の梅がずらりと並びます。暮らしのそばで実った恵みをすぐ手にできることはこの町ならではの喜び。
特別に探さなくても、旬の恵みが生活の中に溶け込んでいることに驚き、それを分けていただけるありがたさも実感しました。
手間はかかりますが、その分出来上がった喜びは格別。こうした小さな季節の営みを重ねる日々に、ここならではの幸せがあると感じます。





