藁灰で作る、昔ながらの手作りこんにゃく(前編)
里山イマーシブツアーに参加し、京ら屋さんで「藁灰こんにゃく作り」を体験しました。初めて触れる昔ながらの製法に挑戦し、藁灰を使ったこんにゃくの魅力をたっぷりと感じることができました。
慌ただしい日常を離れゆったりとした時間の中で、地域の食文化や自然と深く向き合えるとても貴重な機会となりました。藁灰こんにゃく作りは、藁を燃やして水に浸し、灰汁(あく)を作り、この灰汁とこんにゃく芋を混ぜて固めて作る伝統的な方法です。
灰汁(あく)の取り方
藁を黒焼きにする過程では、重なる藁を火箸でほぐし満遍なく炭化させることが大切と教えていただきました。黒焼きにした藁灰を湯に漬け、その後ざるで濾します。
ざるに残った藁灰は、濾過剤の働きをします。ゆっくりと注ぎ、濾しているうちに藁灰が細かい炭などを吸着。灰汁が透明になるまで繰り返します。
徐々に透明へと変わっていく様子はとても神秘的で、自然の素材や手元にあるものを余すことなく使い切る、昔の人の知恵や技術、精神に驚かされました。
こんにゃく芋について
次にこんにゃく芋についてです。こんにゃく作りに使われる、成熟したこんにゃく芋は収穫されるまでに3年かかります。並べて見せていただきました。こんにゃくに加工する前の段階で、こんなにも年月と労力がかかっていることに驚きます。こんにゃく芋の品種や、その年のこんにゃく芋の品質などにより、 仕上がりが少しづつ変わってくることも藁灰こんにゃくの魅力の一つだと教えていただきました。
大切に育てられたこんにゃく芋に触れた時は、3年間というその重みを感じずにはいられませんでした。

1〜4年物のこんにゃく
この3年物のこんにゃく芋の皮をむき、ジューサーで潰し、灰汁と混ぜよく練ると徐々に固まり始めます。その後、型に流し込み落ち着かせ、茹でて完成です。
作業そのものはシンプルに見えますが、素材や手順に京ら屋さんの思いが込められており、手作りならではの楽しさを味わいました。
(後編に続く)